DICと聞いても、さほど驚かなかった。
以前にも血液内から菌が検出されて敗血症ですと言われた事があったが、父は奇跡?の生還を遂げた経緯があったからだ。

でも、今回は違った。


あの日は午後から父の所へ行こうと考えていた。
先ずは母と夫の夕飯の準備をしなくてはと思い、常備菜を作ろうと卯の花煎りを作り出した。
後もう少しで水分が無くなると焦げ付かない様に煎っていたその時だった。電話が鳴った。

父の容態が変わったので医師からお話があるので病院に来て欲しいとの内容だった。

卯の花煎りも中途半端で、火の始末だけして家を飛び出した。
病院に着くと父はもう救急病棟から個室に移されていた。
看護師の話では、酸素も下がり呼吸がおかしくなったので部屋を移しましたと説明された。
私が到着した時は、父は昨日と変わった様には見えなかったが酸素は80%と70%代を行ったり来たりしている状態だった。
すぐに担当医のH医師が来て、会わせたい人に連絡して下さいと告げた。今夜までもつかどうかと…

深呼吸をしてから、まずは母のデイサービスに電話を入れた。母は買い物外出に出ていたが引率の方に直ぐに連絡を入れてくれて、病院まで連れて来てもらえた。
姉の職場ににも電話を入れた。
本来なら交代の人が来てくれるまで職場を離れられないのだが、運良く先にあがった人がまだ帰らずにいたので直ぐに病院に駆けつける事が出来た。

前日の父は呼び掛けに目線をしっかりと返していたのだが、あの日の父は荒い呼吸で虚ろな目をしていた。
でも、母も姉も私も誰もが医師が告げた「今夜」という言葉は信じていなかった。
少なくとも数日の長期戦になると勝手に信じていたのだ。
仕事が忙しく連日遅い帰宅だった夫だが、足(車を運転する人が誰もいないのだ)が無い私達の為に早々に退社して来てくれた。
夜は私と姉が泊まる事にして母は家でゆっくりと寝て、次の日の朝に夫に連れて来てもらう事にした。
私も着の身着のまま家を飛び出して来たので着替えて来る事にし、父を姉に任せて一旦帰宅した。

早々に着替えを済ませ、今度は職場から直行した姉を帰し長期戦に備えて買い物もお願いした。
私は父の手を握り声を掛け続けた。
その時に父から便の臭いが漂い出したのだ。
ナースコールをしてオムツ交換をお願いした。
交換の間廊下に出ている様に言われたので廊下にいると「最寄りの駅に着いたので、これからタクシーで向かう」と姉からメールが来た。「お父さんは、どう?」と最後にあったので、「お父さんは頑張っています。気を付けて来てね」と返信し携帯をバックに入れたと同時に看護師が呼びに来た。


「呼吸が止まりそうです」と…


慌てて病室に駆け込んで「お父さん!」と父の手を握った。
父の呼吸は大きく喉を鳴らして体全体で吐き出された。
同時に姉が駆け込んで来た。
「呼吸が止まりそうなの」やっとの思いで姉に告げ、夫に母を連れて来る様に電話をした。
病室に戻り姉と父の手をギュッと握り声を掛け続けた。
呼吸とは言えない様な小さな吐息を数回漏らし父は呼吸を止めた。
母が到着した時はもう呼吸は停止していた。
だが父は呼吸が停止してからも30分以上もの間、心臓の鼓動を止めなかった。
母はまだ温もりが残る父の手を握り、冷たくなって行く頬を撫で「今までありがとう」と泣いた。
夫も頭を撫でて「義父さん、頑張ったな」と声を掛けてくれた。


2011.02.15 PM8:50 


父は最愛の妻である母と鬼娘二人に、手をギュウギュウ握られ顔を撫でくり回されて旅立って行ったのだ。



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お付き合いありがとうございました。

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